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2025年 新年のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。

 昨年は会員法人の皆さまをはじめ、関係者、各団体の皆さまにたいへんお世話になり、まことにありがとうございました。

 2024年は能登半島地震に始まり、豪雨災害や記録的な猛暑など多くの自然災害が起きました。能登の復旧の遅れは深刻で、地方のインフラ問題や介護・医療の人手不足が、緊急時の被害を拡大したと言われています。国・自治体が住民のいのちと暮らしを守ることを最優先にする施策をとることが求められます。

 世界の戦火は止まずロシアによるウクライナ侵略は3年目を迎えました。ガザではイスラエルの攻撃で人口の9割が住む家を失い、犠牲者の4割が子どもです。日本でも沖縄の南西諸島への自衛隊配備が進んでいます。必要なのは戦争の準備ではなく、戦争を起こさないための外交努力など、日本が国際的にその役割を果たすことではないでしょうか。そんな中で日本被団協にノーベル平和賞が授与されました。核兵器廃絶、気候変動危機の打開、ジェンダー平等など世界的・社会的な課題に関心をもち、それらの運動に参画する福祉職でありたいと思います。

 社会福祉をめぐっては、少子化対策の一方で超高齢社会をあおり、社会保障の給付・負担の見直しが進んでいます。深刻な福祉の担い手不足が経営危機に拍車をかけています。そんな中で「もう一人の保育士を」の運動が広がり、固い職員配置基準の壁を破り70年以上ぶりの改善がかちとられました。旧優生保護法裁判や生活保護引下げ訴訟、袴田巌さんの最高裁無罪判決など、日本被団協のようにねばり強い継続した運動が、人権侵害の壁を動かしています。

 私たちも「権利としての福祉」を体現する事業体として、その経営力と経営基盤の向上にむけ実践的な学習や交流に取り組むとともに、政府交渉をはじめ共同のとりくみをすすめてきました。新しい年を迎え、皆さんの施設ではおだやかな朝を迎えられたでしょうか。夜明けに向け漕ぎ出す船のように、全国会議は皆さんとご一緒に歩んでいきたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。

2024年1月元旦 

一般社団法人 社会福祉経営全国会議

会長 茨木 範宏